満席の機内。十二時間あまりのフライト。
道中では『恋愛裁判』と『DUNE/デューン 砂の惑星』を観て、『Holland』の見逃していたラストを補い、それから『バックルームズ』も観た。
「バックルームズ」のもとになった都市伝説とコンセプト映像は、出たばかりの頃にすでに観ていた。それが十数年後、本当に映画になるとは思わなかった。
冒頭の質感は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を思わせたが、作品全体の映像効果と物語の組み立てには、本当に目を見張った。
ただ、欧米のスリラーに出てくるのは、たいてい人を殺したり食べたりする類いの怪物だ。だから暗く揺れる映像を観ていても、心理的な重圧は東洋のホラー映画よりずっと軽い。
私としては、姿のない幽霊のほうが、形のある異形よりはるかに怖い。
そんな前提はあるものの、『バックルームズ』はかなりおすすめしたい映画だ。
今のところ残されている伏線を見るかぎり、続編へつながる可能性も十分にありそうだ。
桃園空港に着陸したとき、初めて「乗り継ぎ」側へ進んだ。第1ターミナルから第2ターミナルへ歩く途中で、もう一度保安検査を受け、液体も捨てなければならないとは知らなかった。
改装された第2ターミナルは全体に明るく、台湾らしい要素も丁寧に取り入れられている。ただ、もし私が外国人だったなら、それぞれの意匠が何を表そうとしているのか、よくわからないかもしれない。
それでもヨーロッパ系の空港に比べれば、色使いも雰囲気もずっと生き生きしていた。
乗り継ぎの二時間には十分な余裕があり、急がなければならない焦りもなければ、待ちすぎて疲れるほどでもなかった。唯一の誤算は、タピオカミルクティーを一杯くらい買えると思っていたのに、結局スターバックスしか見つからなかったことだ。
当初の出発予定時刻は五分早められていた。ところが搭乗が終わると、今度は空港の訓練のため、離陸までさらに二十分待たなければならなくなった。
この機体はピカチュウジェットで、枕カバーもヘッドレストも紙コップも、すべてピカチュウ柄だった。
機内は満席ではなく、運よく三席分を一人で使うことができた。
この便にも子どもがかなり多かった。実のところ、子どもがまだ小さかった頃が少し懐かしい。言うことを聞かせるのは難しく、親の気力も体力もひどく消耗させるけれど、動物のような小さな人間は、成長した大人よりずっとかわいい。
けれど、高い空を飛ぶ不快感のせいだったのだろうか。この便の前方と後方にはそれぞれ子どもの一団がいて、離陸後は泣き声と叫び声が止まらず、あちらとこちらで呼応し続けていた。
私は何度も、飛んでいって親たちが子どもをなだめるのを手伝いたい衝動に駆られた。まったく知らないおばさんに「ちょっかいを出された」ら、その落差で親の懐へ逃げ込み、抱っこをせがんで泣きやむのではないか。
そんな理性を欠いた衝動は、もちろん実行しなかった。その代わり、中年の男性が突然、私の列で空いていた通路側の席に腰を下ろした。挨拶もなしに座ったばかりか、どうやらそのまま居着くつもりらしい!
彼はそこで機内食を食べ、三席を一人で使って横になるという私の素敵な計画を台無しにした。
さらに悪いことに、客室乗務員が食事を片づけたあと、彼は何気なく、私が食事中だけ中央の空席に置いていたピカチュウの枕を手に取った!
あまりにも素早くて、私が「それ、私の枕です!」と言う間もなく、枕は彼の腰の後ろに敷かれてしまった……。
大人だって、本当はたいして変わらないのではないか。
日本へ向かう機内では『おーい、応為』を観た。とてもよくできた映画だったが、私は江戸時代の文化に詳しくないため、理解できない文化的な暗示がいくつもあった。たとえば、ある祭りの意味や、切り落とした竹を引きずりながら主要人物たちの前を横切っていく場面などだ。
字幕翻訳とのずれもあったのかもしれない。本来は頭を使って謎解きするような映画ではないのに、文化の隔たりのせいで、私にはひどく頭を使う作品になってしまった。時間ができたら映画解説を何本か読み、それからもう一度観て、今度はもっとよく理解できるか確かめたい。

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