旅の余白

東アジア系の女性が金貨の女王となり、整然とした寮の格子門と語学学校の教科書に挟まれた豊かな庭園の玉座に座り、金色の金貨ただ一枚を抱えている。手前には炭水化物に偏った食事が置かれ、足元では一羽の兎が見守っている

長所と短所のあいだ。10月7日

異性の家族さえ入れない女子寮から、初日の授業で言語圏ごとに配られた教科書まで、日本の杓子定規な制度には長所もあれば不便さもある。そして私の最初の小さな不満は、自炊をしないと、どうしても肉が足りないことだった。

日本では、本当にたくさんのことが杓子定規で、融通や余地がほとんどない。

一方では、それも理解できる。とりわけ人間には、少し譲ってもらえば、さらにその先まで求めてしまう一面がある。それなら最初から一律に全面禁止してしまったほうがいい。管理する側にとっても、それが最も実行しやすい制度なのだろう。

そもそも「事情に応じて融通を利かせる」と言っても、どれほど事情を酌み、どこまで融通を利かせればいいのか。その加減は難しいでしょう?

それが原因で揉め事が起きたら、どうするのだろう?

私が暮らしているのは女子寮なので、入居者以外は厳しく立ち入りを禁じられている。事前に登録した家族と同性の友人だけが入ることを許される。けれど、「夫」は家族に分類されているにもかかわらず、異性であるため、私が訪問申請を出したときも、やはり「異性だから」という理由で断られた。

そこで、ふと思った。ああ~、それなら日本がカナダでなくて「よかった」ということ? そうでなければ、性自認は自己申告でいいのなら、異性である夫が少しだけ我慢して、自分は女性だと申告しさえすれば、カナダでは女子寮に入れることになる? XD

とはいえ、男性である限り、寮の男性職員を除いて、ほかの男性は全員立ち入り禁止だ。ほんの短い訪問さえ認められない。さまざまな時間の調整や荷造りの都合を考えた末、

私は時間単位で利用できるホテルに目をつけた。

Booking.comには、このような時間制の宿泊プランがないようだったので、AIは楽天トラベルを勧めてきた。

どうしても言わずにはいられないのだけれど、どの国にも、その国ならではの商売の仕組みがある。その国の商業環境に詳しくなければ、どこに商機があるのか、あるいはその商機をどう使えばいいのか、本当に分かりにくい。

このような一時的な居場所を探すために、少しいらいらしていた。

けれど、部屋を予約してみると、楽天トラベルの画面が便利で使いやすかったこともあり、今度はこう思った。OK、実際のところ、それほどひどい話でもない。

胸をぽんぽんと叩いて自分を慰める。自分で問題を解決する対応力は、やはりなかなか強い。

今日は授業の初日だった。クラスには全部で十八人、女性が十人、男性が八人いて、中華圏の出身者だけでも八人いる。

初日には教科書も受け取った。先生が学生を一人ずつ呼び、名前を確認しながら本を渡していく。よく見ると、先生が渡している本は同じではなかった。まさか? 教科書まで一人ずつカスタマイズされているの?

しばらく注意深く見ていると、言語圏によって受け取る本が違うだけだと分かった。

ISIで使うのは『みんなの日本語』で、そのほかに分厚い漢字の本もある。中華圏の人にとって、この漢字の本はかなり余分に感じられる。もちろん一部の漢字や、日本の漢字で定められている筆順は中華圏の書き方と異なる。とはいえ全体としてみれば、授業中に漢字を書く練習をする時間は、あってもなくてもいいようなものだった。

もっとも、せいぜい二十分ほどだろう。練習と、漢字の読み方を定着させる時間だと思えばいい。

台湾で独学していたときも『みんなの日本語』を使っていたので、私はわざわざドイツから教科書を持ってきていた。

家に帰って課文を比べてみると、内容はなんとまったく同じで、順序だけが違っていた。その瞬間、台湾の先生や、ネット上で教えている出口仁先生が、いつも文型から授業を始めていた理由が分かった。日本の元の教科書が、まさにその順序で作られているからだ。

課文はまったく同じでも、私の学習の土台はしっかりしていない。以前に習った文法は、習った覚えこそあるものの、もうきれいさっぱり忘れてしまった。今度は最初から学び直し、しかも一緒に学ぶクラスメートがいる。集団でやり取りする環境の中なら、もっと記憶に残る場面が生まれ、学習の助けになるかもしれない。

多くの語学講座では、最初の授業で先生が学生に自己紹介をさせるのが普通だ。今回は、本を配り、学生の名前と氏名を確認するのにかなり時間がかかったせいかもしれない。先生は事務的な作業を終えると、そのまま漢字の授業に入った。

まあ、先は長い?

どうしても言わずにはいられない。日本語は日本という一つの国でしか使われていない小規模な言語だ。それなのに、この語学学校の規模と学習者の多さは、ドイツの語学学校では一度も見たことがないほどだった。

それだけ日本が世界各国の人々を強く惹きつけているということだろう。経済は「失われた三十年」を過ごしたと言われているにもかかわらず、人々は今も次から次へと、この島国に憧れを抱いてやって来る。

日本という国はね。

ここで、私の最初の小さな不満を言いたい。外食の主食は、どれも炭水化物に偏りすぎている。寮の食事でさえ炭水化物が多い。自炊をしないと肉があまりにも少なくて、毎日ちゃんと満腹になっていないような気がする……。

讀者留言

留言給作者

留言不會立即公開,僅作者可讀,並由作者決定是否公開顯示。

送出前請先了解留言資料的處理與公開方式,詳見 隱私權聲明。