旅の余白

夜明け前の空港で、中年の東アジア系女性旅行者が閉じた二つのスーツケースと電子機器を収めたリュックのそばに座り、手前では空のコートに十本の剣が直立している

不安。9.27

荷造りは終わったのに、心は期待と怖じ気の間で揺れている。中年になって増えたのは荷物ではなく、選ぶたびに抱く迷いなのかもしれない。

スーツケースのファスナーを閉め、最後の電子機器や細々した物を入れるために、リュックの空きだけを残した。すると胸の内に、珍しく、かすかな緊張が浮かんだ。ああ、本当に私はこれから三か月、一人で異国を「渡り歩く」のだ。

荷物を多く詰めたのか、少なすぎるのか、自分でも分からない。少なければ、もちろん現地で買い足せばいい。けれど、それでは資源を無駄にしすぎるのではないかと、心のどこかが落ち着かない。多く持てば持ったで、貴重な荷物の空間を無駄にしたのではないかと悩む。

こんなふうに揺れ続ける心配も、中年の不安の一部に数えられるのだろうか。

かつて初めて一人でドイツへ旅立ったとき、胸にあったのは期待だった。

なぜなのか分からない。時が流れ、中年に入った今のほうが、かえって心の奥でひそかに怖じ気づいている。

年を取るほど臆病になるという呪いが、本当に当たってしまったのだろうか。

ひょんなきっかけから、大阪に暮らす台湾人のLINEグループを見つけた。

日本で暮らす台湾人は、ドイツよりはるかに多い。私はそっとグループに入り、しばらく読むだけの立場に回った。いざというときの支えを探しておくためでもあるが、同時に、留日台湾人は留独台湾人とは違う性格を見せるのだろうか、という好奇心もあった。

ドイツを離れたあともシステムを使い続けられるように、今日も設計作業を急いだ。

明日はまだ丸一日ある。夜になれば、先に空港へ向かい、そこで一夜を過ごす。

今日はここまでにして、頭の中を空っぽにしよう。

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